なら歴史芸術文化村×4大学連携による座談会を開催

2022.09.05

ニュース

8月21日(日)、なら歴史芸術文化村 文化財修復・展示棟で、第2回企画展「文化財研究中! なら歴史芸術文化村×連携4大学」(2022年7月23日(土)~9月19日(月・祝))のイベントの一つとして、各大学の教員による座談会が行われました。

座談会には、本学の歴史文化学科の小田木治太郎教授、奈良県立大学の山田修特任教授、立命館大学の田中覚教授、東京藝術大学の岡田靖准教授が参加しました。

座談会では、まず、各大学の教員が自己紹介を兼ねて、これまでの研究内容や今取り組んでいる研究について説明を行いました。

他大学の教員から、文化財のアーカイブなどにITを用いる文理融合の必要性や、文化財の保存や伝承の課題などが紹介されるなか、小田木教授は、なら歴史芸術文化村で開催中の企画展「発掘調査の裏側見せます」の内容にも触れるとともに、本学が2018年から進めている東乗鞍古墳の発掘調査や周辺古墳の研究ついて、写真や地図を示しながら説明しました。

また、「とっておきの1枚」と題した写真紹介では、これまでに東乗鞍古墳で測量した10,268点が描画された測量図を紹介。この発掘調査が、土地の所有者や天理市教育委員会の協力によって成り立っていること、そして、何よりも学生の積極的な参加があるからこそ進められていることを語りました。

歴史文化学科 小田木治太郎教授コメント
「今日は『測る』ことを紹介する先生が多かったですね。測るということは、考古学に限らず、文化財全てに共通する非常に重要なものなので、その技術をどう上手く活用するかが、私たちの使命としてあると、座談会を通して強く感じました。また、他大学の先生方のお話を聞いて地域との連携は考古学にとっても大切だと改めて思いました。現在、里山が荒れていて古墳になかなか入れないというところが増えています。地域の人たちの重要な宝である古墳を高齢化が進む中でどう守り受け継いでいくのかを考古学の方でも積極的に取り組んでいくべきだと感じました。」