考古学・民俗学専攻卒業生が角田文衞古代学奨励賞を受賞

2018.10.10

ニュース

考古学・民俗学専攻の卒業生、家原圭太さんが、このたび、第8回角田文衞古代学奨励賞を受賞し、10月6日、京都文化博物館で授賞式と記念講演会が開催されました。同賞は、角田文衞博士が創立した古代学協会が、創立60周年を迎えるに当たり、2011年に創設したもので、同協会が刊行する『古代文化』に掲載された論文から、秀作を選んで毎回1名を選出するものです。

受賞の対象となった家原さんの論文「平安京の邸宅分布と園地」は、平安京域における発掘調査成果を奈良時代以前のものも含めて集成・整理し、平安京の邸宅・園地の歴史的性格を解明した点が高い評価を受けたとのことです。

家原さんは、2004年に天理大学を卒業したあと、京都大学の大学院で研鑽を積み、2007年、京都市文化市民局文化財保護課に就職、京都市内の遺跡調査や文化財保護の業務に携わっておられます。多忙な業務の傍ら、自らの専門的な研究も地道に継続し、専門誌にコツコツと論文を発表してきた家原さんの努力が報われ、考古学や歴史学の若手研究者に贈られる奨励賞の受賞者に決定したことは、大変嬉しいニュースです。

授賞式では、賞状と記念品の贈呈のあと、天理大学時代の恩師・山本忠尚元教授から届けられた花束も手渡されました。記念講演会では、2年生の時に調査補助員として参加した発掘調査の経験が遺跡としての平安京との出会いになったこと、飛鳥宮跡の宮殿遺構をテーマにした卒業論文が、その後の研究の基礎となったことなど、天理大学時代のエピソードも語られました。
家原さんの研究のさらなる進展と今後のますますの活躍が期待されます。

角田文衞古代学奨励賞を受賞した家原圭太氏
授賞式
受賞記念講演会
授賞式の会場、京都文化博物館別館