10月17日、国文学国語学科特別講演が開催され、今年4月に天理大学の客員教授に就任した中江有里(女優/作家)氏が、「物語の生まれる場所」と題して講演をおこないました。
読書家でも知られる中江氏ですが、作品を読むだけでなく、作家の故郷や作品の舞台となった場所にある多くの文学館や記念館などを訪れた経験から「作家にも物語がある」と語りました。そして、小学校の教科書に採択されている「ごんぎつね」の作者として有名な新美南吉の記念館(半田市)や、壺井栄の代表作である「二十四の瞳」が映画化された際に舞台となった小豆島にある映画村を、実際に訪れた際の写真をスクリーンに映しながら、「その場所に行くことによって、わかることがある」と話しました。
また、学生からは、中江氏の著作のタイトルの決め方についてや記念館などを訪れる際の見学のポイントなどについて、質問が出ました。
1日の読書時間がゼロという大学生が半数を超えている現在の日本で、文学の親しみ方について、自らの経験をもとに優しい口調で語りかけた中江氏の講演は、学生が読書の楽しみ方を発見する良い機会となりました。