前回の決勝戦からの7年間を振り返って
平成23年度の第48回全国大学ラグビー選手権大会決勝では、当時3連覇中の帝京大相手に12対15という僅差で敗れ、結果こそ準優勝となりましたが、伝統の「天理ラグビー」の名を全国に知らしめる大きな一戦を繰り広げました。
ところが、翌年は大学選手権に出場したもののグループリーグ敗退。その後、関西リーグ6位、翌年には4位と関西リーグ内での優勝も遠のきます。天理大が準優勝して以降、大学選手権の決勝トーナメントに関西勢が進むことがなくなり、大学ラグビー界に再び「東高西低」の図式が示され始めました。小松監督は「それまではフォワードが頑張ってボールを出してバックスが得点するスタイルだった。スクラムで押されて負ける試合が増えたことで、コーチ陣と相談し、スクラム練習やウエイトにかける時間を増やした」と、当時を述懐します。
その後、選手のフィジカル面の強化が進むにつれてチームの戦力も向上し、関西リーグでは27年度に準優勝、28年度から今年度まで全勝優勝を続けています。関西を制し、次に目標とした「打倒関東」も28年度の大学選手権準々決勝で慶応義塾大に29対24の接戦を勝ちきって達成。準決勝では帝京大に24対42で敗れたことで、「打倒帝京」がチームの合言葉となりました。
迎えた今年度、関西リーグは危なげない試合運びで全勝し、3年連続10回目の優勝を飾りました。関西王者として臨んだ今回の大学選手権では、初戦に大東文化大を30対17で下すと、準決勝では因縁の相手・帝京大学と対峙しました。先制トライを挙げた天理大は、体重差をもろともせず、スクラムで押し進め、認定トライを獲得。その後も強固なディフェンスでリードを守り、29対7というスコアで大会10連覇を目前としていた絶対王者を抑えて決勝に進出しました。「打倒帝京」の目標も達成し、残るは「日本一」。最終目標を叶えるべく天理フィフティーンは決戦の日を迎えました。