【外国語学科】-留学経験者の声-
スペイン語・ブラジルポルトガル語専攻

2020.12.22

ニュース

90年余にわたる語学教育の伝統を持つ天理大学は、「語学の天理」と称されています。その名にふさわしく、学内外で国際交流を体験する機会が豊富に設けられています。海外留学制度ランキング(「大学ランキング2020」)でも全国29位の評価を受け、世界24カ国・地域、51の大学との連携、またニューヨークとパリに海外分校を持つなど、語学教育に力を入れています。

昨年から今年にかけて、海外留学を体験した学生の留学体験記を集めました。

留学体験記 スペイン サンティアゴ・デ・コンポステラ大学

私は、2019年9月から10ヶ月間、スペインのガリシア州にあるサンティアゴ・ デ・コンポステラ大学に交換留学生として留学しました。ガリシア州はスペイン北西部にあり、ポルトガルの北に位置しています。緑が多く自然豊かですが、雨の多い地域でした。

大学は各学部で北キャンパス、南キャンパスに敷地が分けられており、離れた学部同士だと30分 以上歩くこともありました。サンティアゴ・デ・コンポステラ大学では、留学生は、現地のスペイン人学生と共に、所属する学部で勉強します。私は、前期(9月~12月)は言語学部に、後期(1月~5月)は哲学部に所属しました。言語学部では、中国人や欧米人など留学生向けの授業を受けましたが、授業についていくのに必死でした。哲学部では、スペイン人学生と同じ授業を受け論文作成などを勉強しました。

私は留学に行く前に、ある程度スペイン語の単語力を身につけ文法も理解していたつもりでしたが、いざ現地に着くと、ネイティブのスペイン語は、スピードが速くゆっくり話してもらっても、イントネーションが異なりまったく聞き取れませんでした。私は英語も話せないし、スペイン語も理解できず聞き取れなくて、ここでやっていけるのだろうかという不安が募ることもありました。しかし、どちらかというと私の心の中は「不安」より「楽しさ」の方が勝っていました。毎日買い物に出かけ、スーパーに行ったり服を見に行ったりして気分転換しました。すると、スペイン語が耳に入ってくるので、日常生活から語学を学べることが多かったです。少しずつスペイン語に耳が慣れていくことが大事だと思いました。

食生活の面はとても満足でした。スペインはバルが多くいつでも飲食できます。時々バルに行って友達と料理をシェアしました。スーパーでは日本のように作り置きのもの(惣菜など)はあまり売っていないので、私はほぼ毎日自炊していました。スペイン人は若者からお年寄りまで身なりが綺麗な方が多く、街も店もどこに行ってもオシャレでした。大学から徒歩約30分で世界遺産のサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂を見に行くことができます。私は寮生活をした後、アパート(piso)に移ったのですが、そこからは約6分で大聖堂に行けるのでよく訪れました。

スペイン人は私の想像通りに陽気でした。留学して感じたことは、みんな自己をもっているということです。それは自分勝手に振る舞うということではなく、自分の意見をしっかりと伝え、同時に周りの意見も聞き入れることです。議論するときは徹底的に議論をします。Sí(はい)とNo(いいえ)をはっきりさせること。 私はそういったことをスペイン人からたくさん学べたように思えます。

留学生活に慣れた頃、新型コロナウィルスの猛威が迫ってきました。未知のウィルス、慣れない土地で物資の不足や町のロックダウンなど毎日不安な日々が続きましたが、日本の友達や現地の人達に励まされ、留学生活を乗り切ることができました。スペインで勉強できたこと、たくさんの巡り合わせによっていろいろな人に支えられたこと。また、日本で待っていてくれている人達の存在の大切さに気づかされ、感謝の気持ちを持つことができました。私の留学生活はかけがえのない大切な思い出になりました。

留学体験記 メキシコ プエブラ栄誉州立自治大学

私は、メキシコのプエブラ州にある協定校、プエブラ栄誉州立自治大学に2019年7月から8ヶ月間留学しました。私は言語学部に在籍し、スペイン語と英語の他にメキシコの文学や文化についても勉強しました。

この大学には、天理大学に留学した経験のあるメキシコ人学生が何人かいたので、留学してすぐに友達ができました。また、メキシコは親日国なので、大学内を歩いていると、「どこからきたの?」と聞かれたり、Facebookを交換したりパーティーに呼んで貰えたりと、日本人というだけでたくさんの人から声を掛けられることが多かったです。

街中でも写真を撮ってほしいと話しかけられたり、すれ違いざまに挨拶をしてくれたり、私にとって留学先はとても過ごしやすい所でした。

ホストファミリーもとても良い方々ばかりでした。私のことを本当の家族のように可愛がってくれて、クリスマスや結婚式、新年パーティー、誕生日パーティーなどには、必ず私を誘ってくれました。

しかし、留学して最初の1、2か月間は、語学面でとても苦労しました。私のスペイン語が通用せず、授業だけでなく、友人との会話さえ理解出来ない状況でした。ストレスが溜まり体調を崩すことも多かったです。1週間に1度のペースで熱が出て、何度も病院に行きました。

しかし、3か月が過ぎたころ、急にスペイン語が「スルッと」理解できるようになったのです。そうすると、友人との会話もとても楽しくなり、体調を崩すこともなくなっていきました。実際に留学生活が楽しいと感じるようになったのはこの頃からでした。

私の下宿先から首都メキシコシティには、バスを使えば2時間ほどで行けたので、国内旅行として、首都へも観光に行きました。独立記念日には現地のメキシコ人たちと一緒に、「ビバ、メヒコ!(Viva México!)」と叫んだり、ソチミルコという所で船に乗ったりしました。世界遺産に登録されているグアナファト州にも行きました。そこは小さい町でしたが、どの建物もカラフルで異文化を感じさせてくれる建物でした。劇場や博物館も多く、あちこちで音楽隊が演奏していて、芸術を随所で感じさせてくれる魅力的な街でした。

メキシコを代表するお祭りで、映画『リメンバーミー』で題材になった、「死者の日」のお祭りの期間には、オアハカ州へ行きました。私も現地の人たちと同じように、スカルメイクをして街路を歩き、夜には墓地でマリーゴールドの花やろうそくで飾られたお墓を見て回りました。こうした異文化を実体験している時、私は、「メキシコにいるんだなぁ」と改めて、留学の魅力を実感しました。

スペイン語は、授業はもちろん日常生活でも毎日使うので話せるようになります。留学前にやっていた語学勉強が、留学先で一挙に花を咲かせるような感じかもしれません。語学の勉強は最も大事なことですが、旅行したり友人のパーティーに参加したりすることも、スペイン語の力を身につけるうえで必要なことだと感じました。留学は、私にとってかけがえのない、貴重な体験となりました。