天理大学外国語学科中国語専攻では、中国語で社会貢献できる能力の養成を目的とした選択科目「実践中国語B」において、新聞記事を翻訳する取り組みを秋学期より開始しました。
これまで「実践中国語B」では、観光通訳、翻訳、ホテル接客などのボランティア活動の準備と実践を行ってきましたが、コロナ禍で予定していた学外でのボランティア活動が難しくなったこともあり、天理大学の学生が関わっているボランティア活動に関する文章を中心に中国語翻訳し、順次大学HPに掲載することで、日本で行われているボランティア活動の一端を中国語圏に発信することとしました。
無料の翻訳サイトが普遍化してきた近年、学生がこれからの翻訳スタイルを身に付けられるよう、今回は代表的な3つの翻訳サイトを活用し翻訳作業を行いました。学生らは新聞記事を3つの翻訳サイトで翻訳。教員がそれぞれの翻訳文のニュアンスの違いなどを解説しました。
次に教員が文中で使われている語の類義語などを提示し、その文脈ではどの語が最も適切かということについて学生と検討しました。最後に翻訳した文章を学生に音読させて、文法的な間違いがないかどうか、またリズムやバランスが良いかどうかなどを教員がチェックしてより良い表現に修正するとともにその理由についても解説を行いました。
竹田治美教授コメント
「今は学外でボランティアを行いにくい状況ですが、ボランティアの記事を翻訳して発信することもボランティアの支援だと考えました。新聞記事の翻訳というのは本当に難しい作業ですが、自分もそのボランティアに参加している気持ちで根気強く頑張ってほしいと伝えました。また今回の翻訳作業を通して学生たちは、翻訳サイトによって訳し方が違うこと、翻訳された文章がそのまま使えるわけではないことを体験することができました。このようなプロセスを繰り返すことによって、実社会に出る前に翻訳サイトを使いこなせるようになってほしいと期待しています。」