2月10日から23日にかけて、東乗鞍古墳の発掘調査を本学歴史文化学科考古学・民俗学研究コースと天理市教育委員会が共同で行いました。
天理市と天理大学が2014年に締結した包括連携協定のもとに、天理市教育委員会と文学部との間で「天理市内埋蔵文化財の調査・研究に関する覚書」(2017年5月1日)を交わしており、この覚書により、天理市内における古墳などの共同発掘調査が可能となったことから、2018年より東乗鞍古墳の発掘調査を行っています。
杣之内古墳群を構成する主要古墳の一つである東乗鞍古墳は、本学杣之内キャンパスの南方約1.5㎞に位置し、古墳時代後期(6世紀)に築造された全長約83メートルの前方後円墳です。後円部には長さ9メートルほどの横穴式石室があり、内部には石棺が遺存しています。
第5次となる今回の調査区は、後円部南斜面、前方部南斜面、前方部前端南側の3箇所。後円部南斜面と前方部南斜面では、墳丘の構造や段築の有無、盛り土の状況について知ること、また、前方部前端南側では前方部端を見つけることを主な目的としました。
今回の調査では、前端南側の墳端の一部が見つかり、各調査区では土器や土師器をはじめ高杯の足の部分などの遺物も発掘されました。