いつでもワンチャンス!海外で掴んだ、私だけのキャリア。

THE STORIES #056

いつでもワンチャンス!海外で掴んだ、私だけのキャリア。

プロホッケープレイヤー
リュッセルスハイムRK

山口 育海さん

「スピード感が、他のスポーツとは、全然違うんです。男子の試合だと最高速度で250㎞、マウスピースを着けていても、歯がぽろっと落ちることもあります。人間の手で打つ球が、そんな速さで飛んでいく。それが魅力だと思っています」

ドイツ、マールブルク。童話に出てくるような古い城が丘の上に佇む、歴史ある街で暮らす卒業生がいます。体育学部の卒業生、山口育海さんです。

「ドイツブンデスリーガのホッケーチーム、リュッセルスハイムRKでプレーしています。天理大学を卒業してすぐ、単身での渡独を決めました。もともと教員を目指していたのですが、教員採用試験合格まで、本当にあと数点、ギリギリのところで落ちてしまったんですね。それで、ああ、ホッケーに挑戦してみようと決めました。両親に電話をかけた
ときは、相当驚かれました。『ちょっと待って、どうしてドイツで挑戦なの?!』と。
それも、そうですよね」

山口さんとドイツ・マールブルクとの初めての出会いは、実は在学中に参加したある天理大学独自のプログラムでした。

「2年次に参加した、国際スポーツ交流実習がきっかけです。期間は2週間、ドイツのマールブルクとケルンに、各1週間滞在しました。
実はこのとき、現地でホッケーができるとは聞いていませんでした。でも、ドイツといえばホッケーの強豪国。ワンチャンス!と思って、練習用のセットを勝手に背負って行きました。ケルンで男子の練習に飛び入り参加したのですが、皆フレンドリーに接してくれて、パスも来る。将来は海外でプレーしたいと感じました」

飛び入り参加の連続で、チャンスを掴んできた山口さんですが、ドイツでの生活は苦労も多いものだったそうです。

「渡航を決行したものの、知り合いや伝手を頼ってではありませんでした。初めはドイツ語も全く話せず、銀行の国際送金トラブルでしばらく1日1ユーロしか使えず、道端の木の実を食べてやり過ごしたこともあります。
そもそも、ホッケーはマイナースポーツなので、ホッケー選手であることを理由にしたビザの取得はできません。当初はワーキングホリディビザで入国し、現在は就労ビザで働きながら、ホッケーを続けています。自主練習もあるので、実質オフは1週間に1日もない。チームに外国人は、私以外にはいません。
でも私は、無名の私でどこまで行けるのか試してみたかった。
だから、所属チームも現地到着後にインターネットで探しました。マールブルク・ホッケー・チーム・練習・場所、なんていう風に、ドイツ語で検索して。結局、VFLマールブルク(5部・地方リーグ)の練習場所と時間を見つけて飛び入り参加したところ、4日後には試合に出場させてもらうことができました。
その後、ブンデスリーガの2部・アイントラハトに移籍、そして現在のリュッセルスハイムRKでのプレーに至ります。
 これも、レンタル移籍などで一部のチームに行けばいいのに、と考える人もいると思うのですが、私は自分の力で挑戦したくて、その選択肢は考えませんでした。苦労が多くても、そっちのほうがきっと面白いって、そう信じて進みました」

常に自ら判断し、困難を乗り越えながら、異色とも言えるキャリアを築き上げてきた山口さん。そんな彼女には、新しい将来の目標があるそうです。

「海外でプレーをするなかで一番に感じる日本との違いは、選手と指導者の関係性です。ドイツでは監督の意見が絶対ではなく、選手も積極的に意見を言います。上意下達ではなく、年齢による上下関係もないため、それぞれが対等だという認識が強い。一方で日本には繊細なプレーなど、独自の強みがあります。
私は日本のやり方に戸惑い、ホッケーから離れていた時期もありました。そうした自身が悩んだ背景や教職を目指した経験も活かし、各国の文化の良さを伝えられたらいい。
選手に寄り添えるような指導者になりたいと考えています」

山口さんは、将来を模索する後輩たちに向けてこう語ります。

「何かを思いついたら、挑戦してほしい。挑戦してからの後悔のほうがずっと価値がある。やらなかったことを悔いても、戻れないからです。
例えば、海外生活では、語学が不十分だったとしても、スポーツを通して一度でも戦えば、大切な仲間との深い絆ができます。私も日々挑戦を続けたいと思っています」
※リュッセルスハイムRKは、2019年6月に1部リーグに昇格

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