エジプト柔道ナショナルチームに本学卒業生がJICA海外協力隊
として派遣

2023.11.08

ニュース

JICA海外協力隊としてエジプトへの派遣が決まった本学柔道部卒業生の門田優吾さんが、10月25日、JICA関西の花立大民次長、本学柔道部監督の穴井隆将准教授らとともに本学を訪れ、永尾比奈夫学長に出発の挨拶を行いました。

本学とJICA関西及び天理市は、昨年11月、「天理市、天理大学及び独立行政法人国際協力機構関西センターとの連携に関する覚書」を締結。連携活動の一つである、開発途上国での国際協力の推進と国際協力に資する人材の育成として、2027年までの間に2年間の長期派遣者を継続して、また1か月程度からの短期派遣者を年間数名エジプトに送り、エジプト柔道ナショナルチームの技術向上、エジプトにおける柔道の普及につとめることとなりました。その第一号が10月29日に出発した門田さんです。

今回の派遣は、2年間の長期派遣であることから、本学の柔道部卒業生を対象に天理大学で募集を呼びかけたところ、応募者の中から門田さんが選抜され、研修を経て派遣されることとなりました。

懇談の席で門田さんは、JICA海外協力隊の応募動機について、在学時にポルトガル人の柔道世界王者が天理大学で技の講習をした際、柔道部の先輩が流暢な英語でコミュニケーションをとった姿に驚くとともに憧れを抱いた経験が今回応募に至った動機であると、永尾学長に説明しました。

その後、門田さんは海外選手とのコミュニケーションの取り方や語学力向上のための学習方法などについて先輩からアドバイスを受け、怪我で練習ができなかった1年間に英語を懸命に勉強しました。
怪我から復帰後は柔道部の稽古に励みながら、海外から来た選手のアテンド役を積極的に引き受けるなど、様々な面で本学柔道部を支えてきた経験があり、今回の派遣をまたとない契機と捉えたと語りました。

永尾学長は「コミュニケーションの問題だけでなく生活面での不安もあるだろうけれども、身体を大切に気負うことなく自然体で頑張ってほしい。2年間という長い期間になるが、1年毎に自分で目標を立てながら過ごすといいのではないか。天理柔道で培った精神性といったものをエジプトの方々に伝えてもらえれば嬉しい。2年後、たくさんのお土産話を持って帰ってきてください」と門田さんを激励しました。

また、連携に基づいて、本学、JICA関西そして天理市と共に、今年3月には「ボランティア連携事業事前視察」が行われ、その後の報告会で約1か月派遣予定の「JICA短期派遣員」を募集。柔道部員の中から参加希望が寄せられるなか、来年2月の派遣に向けて現在調整中であることが穴井監督より報告されました。

門田優吾さんコメント
「指導者として派遣される立場ではあるが、自分が学びに行くつもりでエジプトへ行きたい。文化の違いから知らず知らずのうちに自分が失礼なことをしてしまったらという不安はあるが精一杯頑張りたいと思います。」

JICA関西花立次長コメント
「スポーツ分野のナショナルチームレベル、しかも柔道という競技で長期派遣されるということは希なケースで、去年の連携協定を経て、今回、門田さんの派遣が決まって大変嬉しく思います。今後、エジプト柔道のレベル向上、また普及促進のために、長期派遣と短期派遣の組み合わせを継続して実施いただきたいと思っています。」

穴井監督コメント
「本学柔道部出身者には世界を代表する選手が多くいますが、こうした選手に加えて、今回のように、天理という場で柔道を学んだ学生たちが世界の各地で指導者としても活躍することは、天理柔道が世界に羽ばたいていく一つの窓口になってくれるのではないかと期待しています。監督としては、そのような場に多くの学生たちを派遣できるように人材育成していかなければという使命感を感じており、今後もしっかりと指導していきたいと思います。」