スペイン語によるペルー料理実習

2023.07.21

ニュース

6月29日、スペイン語・ブラジルポルトガル語専攻の3年生が、天理市内のペルー料理店「34番地LOCAL34」において、「スペイン語によるペルー料理実習」に参加しました。

スペイン語・ブラジルポルトガル語専攻では、コロナ禍に入学した現3年生たちが様々な制約のなかで大学生活を過ごしていたことから、専攻教員が、「修得した言語を使う機会や、異文化に触れる体験を少しでも多く設定したい」と相談を重ねていました。

今回実習先となったペルー料理店の店主・笠飯幸嗣さんは、本学のイスパニア学科の卒業生で、かねてより「スペイン語圏の文化に触れる機会を学生さんに持ってほしい」と、学生の支援について専攻教員に相談していたことから、このたびの「スペイン語によるペルー料理実習」が実現しました。

実習内容は、スペイン語圏であるペルーの国民料理「エンパナーダ(empanada)」と「カウサ(causa)」の調理と試食。笠飯氏の夫人はペルーで生まれ育った日系ペルー人で、スペイン語ネイティブであることから、笠飯ご夫妻は、料理の説明・調理など、すべてスペイン語による指導で実習を進めました。

長年スペイン語圏で暮らしてきた笠飯さんが、スペイン語圏の国民料理「エンパナーダ(empanada)」は、具入りのパンであること、家庭や地域によって味付けが変わることなどをスペイン語で説明しました。

学生らは笠飯さんの説明に関心を寄せながら、積極的に調理を進めました。出来上がったペルー料理は、スペイン語圏の話題を交えつつ参加者全員で味わい、充実した実習の時間を過ごしました。

本専攻の野口茂教授は、「3年生という学年は、将来への希望・不安などがあると思います。少し羽を伸ばして楽しみながら、これまで学んできたスペイン語力が活かせる機会を作りたい、そしてスペイン語圏の食文化にも触れてほしいということでこの企画を考案しました。」と説明。ファン・ロペス准教授は、「我々が思っていた以上に学生たちは日頃の学習の成果を発揮していたと思いますし、教室とは違った学生たちの一面も見られたので、このような機会をこれからも企画できればと思います。」と感想を述べました。

市内のペルー料理店「34番地LOCAL34」オーナー 笠飯幸嗣のコメント
「南米チリの日系企業で長年勤めていた体験を大学で学生さんたちにお話する機会はこれまでにもありましたが、座学以外で何かできないかとずっと考えていました。これまでの経験から、料理に限らず実際に動きを伴って体験するというのは非常にインパクトがあり、そういうなかでこそ語学力が一層身につくと思っています。野口先生と一緒に企画した今回の実習を通して、国民性のバリエーションが広く、また、公用語として多くの国で使われているスペイン語の魅力が学生さんたちに伝わればとても嬉しく思います。学生さんたちのヒアリング力はとても高く、積極的に参加する姿勢も素晴らしいと思いました。」

 

参加学生のコメント

岡崎遮那さん(同専攻3年・山形中央)
「今年の9月から半年間、スペインへの留学を予定しています。留学前に料理を通してネイティブの方と日常会話をかわすことができ、非常にいい経験ができました。味覚として自分のなかに新しい情報として入るというのは貴重だと思いました。留学先では語学を中心に学ぶのはもちろんですが、料理が好きなのでホームステイ先で日本料理の紹介もできればと考えています。将来は、スペイン語をはじめとする言語を通じて様々な国の人たちに関われる仕事に就きたいです。」

 

長谷川蛍乃夏さん(同専攻3年・加古川南)
「半年間のスペイン留学から帰国して、数ヶ月ぶりにネイティブの方のスペイン語に触れました。留学中は自分のスペイン語力が上がったと実感することがなかなかできませんでしたが、今日、実習で説明されるスペイン語が自然と自分のなかに入ってくるのが実感できました。留学という貴重な経験をこれからもっと活かせるよう、今回のような機会をこれからも自分で見つけて、国内にいても語学力が高められるように頑張りたいと思います。」