中国語専攻の学生が台湾の日本語勉強会で「日本語世代」と交流

2023.09.20

ニュース

現在、本学中国語専攻より交換留学生として国立台湾大学文学院に留学中の河合雅珠さん(中国語専攻3年・静岡学園)が、現地の日本語勉強会である「友愛会」に参加し、日本語学習を通して現地の方々と交流を行っています。

「友愛会」は、日本統治時代(1895年~1945年)に台湾で日本語教育を受けた「日本語世代」と呼ばれている人たちが、美しく正しい日本語を台湾に残すことを目的に定期的に開催している勉強会です。
この勉強会では、日本語の詩やエッセイを朗読したり、ことわざや四字熟語の意味を考えたり、さらには最近の若者言葉を学ぶなど、多岐にわたった日本語の学習を継続して実施しています。

国立台湾大学の日本人学生会(NTSUJSA)が「友愛会」の活動に協力していることから、昨年同大学に交換留学していた曽根みのりさん(中国語専攻4年・天理)も「友愛会」に参加。曽根さんの参加がきっかけとなり、河合さんも本年6月から同会に参加するようになりました。

「友愛会」現会長の張文芳さん(94才)は、天理中学校の出身ということもあって、天理大学の学生である曽根さんや河合さんが「友愛会」に参加したことを喜ばれるとともに、天理大学の前身である天理外国語学校や当時の大学周辺のことなど回顧談を、懐かしさを込めて語られました。

河合雅珠さんコメント
日本統治時代に関して学ぶことは台湾へ留学した目的のひとつでした。日本統治に関して学習する機会がないか探していたところ、曽根さんに「友愛会」を紹介していただき参加しました。日本語世代の方々と会話や勉強会を通して交流できることをとても嬉しく思います。戦時中の日本と台湾の状況の違いや日本語世代の方々が当時はどのような気持ちでいたのかなど、教科書や資料からは学ぶことができないことをたくさん教えていただいています。この機会を大切に充実した留学生活を送りたいと思います。

今井淳雄准教授コメント
昨年の曽根さんにつづいて、国立台湾大学に留学中の河合さんが日本語世代の方々と交流をされているとお聞きし、とても嬉しく思います。日本統治期から現代まで、激動の時代を生き抜いてこられた日本語世代の方々との交流は、若者にとってこれからをどう生きていくのかを考えるうえで、貴重な体験になるはずです。これらの交流を通じて、日台間により重層的なソーシャル・キャピタルが蓄積され、さらなる相互理解と交流が進展することを願ってやみません。