一手一つにスクラムを組み、特殊詐欺被害防止を啓発。
激励を心に、勝利で地域に恩返ししたい。

2020.12.02

「本当にうれしいです。日本一になって、皆様に恩返しがしたいです」

2020年11月29日、京都・宝が池球技場。関西大学ラグビーAリーグ順位決定戦で、本学ラグビー部が同志社大学に54−21で勝利し、5年連続12度目の優勝を果たしました。

この活躍を心から喜ぶ、一人の姿がありました。本学ラグビー部のファンを自認する、天理警察署の小畑浩康 署長です。小畑署長がラグビー部と接点を持ったのは、今年5月。
防犯パトローズ隊の活動10周年を記念して、本学と天理警察署、同署管内金融防犯協議会が合同で「特殊詐欺被害防止ポスター」の制作に当たったことがきっかけでした。

「悲願の日本一に向かい団結する天理大学ラグビー部が、特殊詐欺防止のイメージとしてまっ先に思い浮かびました」

ポスターの制作発表会で、そう話す小畑署長は、「地域社会が一丸となり、スクラムを組んで特殊詐欺被害防止に挑みたい。」その想いを、大学を通してラグビー部にぶつけ、ラグビー部もこれを快諾。ポスターの制作が7月から始まりました。

ポスターの写真撮影も終わり、菅平での合宿を控えたラグビー部に激震が走ったのは、2020年8月のことでした。ラグビー部の寮において、新型コロナウイルスの集団感染が発生しました。徹底した感染症対策のもとで、関西大学ラグビーAリーグに向けて部員が一丸となり練習に励んでいた最中のことでした。部員168名中62名が陽性となり、約1カ月の活動休止を余儀なくされた部員たちは、非常に苦しい時間を過ごしました。

主将の松岡 大和さん(国際4)は、当時をこう振り返ります。

 

「このまま練習が再開できなかったらどうしようと……前向きに考えようとするメンバーがいる一方で、悩み、不安に苛まれるメンバーもいました」

辛い日々を送るラグビー部員たちに、地域の方々から沢山の激励のメッセージが届いたのは、そのときでした。

「地域の皆様や子どもたち、大学の他のクラブ生からも、沢山の応援メッセージや動画をいただいたんです。
そのおかげで辛い日々を乗り越えることができたことに、本当に感謝しています」

多くの方の励ましを心の糧にして、つらい日々を乗り越えたラグビー部員たちは、9月9日に天理大学が集団感染の終息宣言を出したことで、練習を再開させ、悲願の日本一に再スタートを切りました。

そしてこの時、集団感染により制作を一旦中断していた「特殊詐欺被害防止ポスター」も、天理警察署から改めて協力要請を受けたことで、再スタートを切りました。
10月13日には、集団感染時に激励の言葉をいただいた地域住民の皆様への「恩返し」の想いを込めて、部員3名が天理警察署の一日署長として、特殊詐欺被害防止の啓発活動を行いました。小畑署長より委嘱を受けた3名は天理警察署管轄地の金融機関を訪れ、完成したポスターを配布しました。

こうした一連の啓発活動について永尾教昭 学長も、

「集団感染について厳しい意見も頂戴しましたが、それに勝る応援のメッセージを地域の皆様からいただきました。地域社会への恩返しとして、特殊詐欺を減らすお手伝いができればそれに勝る喜びはありません」

と語りました。

練習試合も夏合宿も行うことのできない、もどかしい日々。
その苦境を乗り越えて、11月7日、本学ラグビー部は関西大学ラグビーAリーグの開幕戦に出場し、摂南大学に64対0で勝利しました。その後も順調にリーグ戦を勝ち進み、ついに全国大会への切符を手にしました。

この勝利は、しかし、単なるリーグ戦5連覇を意味するわけではありません。
地域住民の方々の応援が力となり、まさに一手一つで壁を乗り越えることができた——その意味と重みのあるストーリーの結晶です。

「ラグビー部が日本一をめざし、今後試合に勝ち抜いていくことでポスターの反響が一段と高まり、啓発にもさらなる効果が生まれると期待しています」

そう話していた小畑署長の言葉をなぞるように、日本一に向けて、天理大学ラグビー部の快進撃はこれからも続きます。


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