雅楽部 英国「ジャパン・ハウス ロンドン」で雅楽特別公演

2019.11.25

ニュース

英国ロンドンの複合施設「ジャパン・ハウス ロンドン」で、天理大学雅楽部が10月24日から26日にかけて特別公演を行い、期間中、延べ300人のロンドン市民が聴衆として同施設を訪れました。

天理大学雅楽部の英国特別公演は、ロンドン・大英博物館で開催中の「奈良—日本の信仰と美のはじまり」展(奈良県、大英博物館主催)に合わせた関連イベントとして、県が天理大学に依頼したもの。奈良の寺や神社が誇る国宝などの宝物をロンドンの大英博物館に集めた特別展は、連日大勢の来場者で賑わっています。

その関連イベントとして、雅楽部は、昨年6月にオープンしたばかりの複合施設「ジャパン・ハウス ロンドン」で公演を行いました。「ジャパン・ハウス ロンドン」は、多様な日本の魅力を発信する海外拠点として外務省が設置したもので、ロンドンの目抜き通りの一つ「ケンジントンストリート」に面しており、日本各地の名産品を扱うショップやレストラン、ライブラリーなどがあり、注目のスポットとして現地メディアでもたびたび取り上げられています。

特別公演は2日間にわたって開催。午後6時半の開演に合わせ、両日とも大勢の人が詰めかけ、110席ほどの会場は連日満席となりました。

「コンサート・レクチャー」と銘打たれた今回のプログラムでは、演奏の前後で顧問を務める東馬場郁生・副学長が雅楽の成り立ちや楽曲の歴史について詳しく解説。雅楽部の活動についても詳細に語りました。

また、演奏に先立って、ジャパン・ハウス ロンドンのマイケル・フーリハン館長が挨拶に立ち、「非常に高いパフォーマンスで知られる天理大学の演奏を、この場所で披露できることはとても光栄」と挨拶しました。

演奏は、管絃『越殿楽(えてんらく)』、『陪臚(ばいろ)』、謡物『嘉辰(かしん)』、舞楽『抜頭(ばとう)』の4曲。聴衆たちは、雅楽の解説に時折深く頷きつつ、部員たちが奏でる、遠い大和の地に古(いにしえ)から伝わる音色に酔いしれていました。

最終日の26日には同会場でワークショップが行われ、部員らが楽器の吹き方や演奏方法などを来場者に詳しく説明。来場者と部員たちが奏でる雅な音色が英国の街に響きました。

ジャパン・ハウス ロンドン:フーリハン館長
「レクチャーを交えてもらったことで、聴衆もより深く楽しんでもらえたのではないかと思う。イギリス人にとって日本といえば東京や大阪といった都市を上げる人がまだ大半だが、奈良や天理といった場所の魅力を知ってもらえる場所を提供できたことは、私たちにとっても光栄」

来場者:マーク・アルコックさん
「以前に英語教師として日本に滞在したことがあり、いまも和太鼓グループに参加するなど日本の文化にはとても興味がある。雅楽を聞いたのは初めてだったが、これまでに聞いたどんな音楽とも異なる、すばらしいハーモニーで感動した」

奈良県観光局:鳥谷越(とやこし)浩二・インバウンド戦略係係長
「立ち見が出るほどの盛況に、海外での日本の、奈良の歴史文化・伝統芸能への注目度の高さをあらためて実感した。天理大学の協力を頂きながら、雅楽という素晴らしいコンテンツを通じて奈良の奥深い魅力を引き続き広く発信し、奈良への誘客を進めていきたい」