
THE STORIES #023
学問に、人に、
正直・公平に向きあう。
幡鎌 一弘さん
「たいした研究者ではないという自覚があります。自分の論文や著作はまちがいなく忘れ去られますが、史料は長く多くの人に使ってもらえるのではないかと思っています」
幡鎌さんは、文学部歴史文化学科の教授。
主に日本近世史資料講読などの授業を担当、春日社 社家の日記『中臣祐範記』をはじめ 『奈良県史料叢書』『本興寺文書』などの史料 集の校訂、編集に没頭しています。
とにかくすべてが発見で、すべてが勉強。
謙虚な言葉を重ねる幡鎌さんに研究を続ける上でのモットーを尋ねると、「学問に対して正直・公平に向かっていくということでしょうか」。
「歴史を扱っていると、きれいごとで済まないこと、赤裸々に語れないこともあります。
様々な見方に公平にそして、明らかになってきた事実について正直に考えるようにしています。
それから、史料編集でもそうですが、写真を撮る人、下原稿を作る人、割付の赤字が芸術的な編集者がいて、実際に作業してくれる印刷会社などがあって。
たくさんの方がたとの共同作業、たすけあいです。いろいろな方と接する機会もできて、知識の幅が広がりました」
現在は、近世の神社・神職のデータベース制作に取り組んでいるとのこと。
「他のことはできなくなっても、これだけは気長につみあげていこうと思っています。」

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