
THE STORIES #065
TVの宗教特集で感じた違和感が、研究のきっかけに
人間学部宗教学科 講師
澤井 治郎さん
研究内容は大きく2つに分かれます。
1つは、天理教学に関して。天理教では伝統的に教えや信仰が「道」「お道」という言葉で表現されます。この言葉には「宗教」や「天理教」などとは異なる、独特のニュアンスがあると思います。原典や教典による教話などの資料を検討し、天理教を「道」として捉え直したいと考えています。
もう1つは、現代アメリカの宗教思想に関する研究であり、特にキリスト教系の思想の展開と、それがどのようにアメリカ社会に流通しているかに関心があります。

現在の研究のきっかけは、小学生の頃感じた宗教に関する報道への違和感。当時、ある宗教団体が多くの事件を起こしTV は連日その宗教団体について報道しました。
天理教の教会で育ってきた私には、その宗教団体とほぼ同列に「宗教団体」として「天理教」が扱われることに強烈な違和感を覚えました。
ハッピをきた信者さんが月にいくらお供えしているか?とインタビューされ、記者に執拗に金額を尋ねられている映像が今も脳裏に焼きついています。
「宗教」をどう理解するかに関心が湧くのは、こうした経験が影響しているのかもしれません。
自分の進路について考えるのは苦しいという人もいると思います。でも、先には自分の知らない世界がきっと広がっている。さまざまな世界を体験し、面白い人生にしましょう。
